毎日の業務に欠かせないコンピュータ。最近では、PDFなどにコンピュータ上で押印できる電子印鑑が注目されています。
帳票類をPDF形式で閲覧・編集している方にとって、電子印鑑には大きなメリットがあります。 こちらの記事では、PDF電子印鑑の作り方を説明しています。
さらに、代表的なPDF閲覧・編集ツールを使って電子印鑑を挿入する手順や、効力・信頼性についても触れています。 日々のPDF編集業務に電子印鑑を導入しようと考えている方にとって有益な情報をまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
樽見 章寛(たるみ あきひろ)実印.net 編集部
パソコン上で簡単に押印できることから注目を集めている「電子印鑑」。法人では電子契約を導入しますが、個人での利用に電子印鑑を検討されている方も多いでしょう。普段電子印鑑を使用している筆者が、電子印鑑について徹底解説します。電子印鑑を販売している企業へのインタビュー経験あり。
請求書などの帳票を作る際に活用できる電子印鑑。最近ではデジタル法案に関係して電子印鑑が話題となっています。 PDF判子の作り方をチェックする前に、まずは電子印鑑の基本情報をおさらいしましょう。
そもそも電子印鑑って何?
「そもそも電子印鑑とは何ぞや?」という方のために説明すると、判子を押す作業をコンピュータ上で完結できるツールのことです。 行政機関へ登録したり届出をしたりする必要はなく、誰でも簡単に作ることが可能です。
電子印鑑といっても様々な種類があります。名字だけの認印はもちろん、企業用の角印や「社外秘、極秘、承認」などの判子についても電子印鑑と呼ぶ場合があります。
また、その形式にもいくつかの種類があり、JPG形式やPNG形式だけではなく、PDF形式の判子も存在しています。 PDF帳票を編集するためのPDF編集ツールだと、PDF形式の判子の方が使い勝手がいいケースも。
電子印鑑を使用するメリット
まず最初に挙げられる電子印鑑のメリットは「業務効率化」です。 これを使うだけで、PDFの帳票などを紙にプリントせずとも挿入作業が行えます。
取引先から送られてきたPDF帳票を印刷するためにプリンターへ行き、そして承認印を押して別の部署へ回す。 こういった手間を解消してくれる新しい判子なのです。
オンラインツールが便利!
さて、それでは本題の「PDF判子の作り方」について説明します。 PDF判子を作るには、「電子印影」という無料オンラインツールが非常に便利。 面倒な登録などをしなくても、わずか1分足らずでスピーディーに電子印鑑を作れます。
作り方は非常に簡単!下記の4STEPで、PDFにも利用できる電子印鑑を作成できます。
- 「個人認印」か「法人角印」のどちらかを選択
- フォントを4種類から選択
- 文字を入力
- 緑色の「ダウンロードする」をクリック
「無料で、簡単に、今すぐ電子印鑑を作成したい」という方には、とっておきのツールです。ぜひ一度、試してみてください。
電子印影はこちらまた、「ビジネス利用のため、印影などもう少し本格的な電子印鑑を作成したい」という方もいらっしゃるでしょう。 ビジネス利用では、人目に触れる機会が多くなります。できればしっかりした電子印鑑を作成したいですよね。
そんなあなたにおすすめなのが、印鑑通販サイト「はんこ森」の電子印鑑。 無料の電子印鑑とは違い、印影の作り方が印鑑と同じなので、ビジネス利用に最適な本格的な電子印鑑が作成できます。
しかも、はんこ森の電子印鑑は500円(税込)で作成可能。電子印鑑は一度作成すれば、今後ずっと使い続けられます。 500円で今後使い続けられることを考えると、そこまで高い買い物でもないかもしれませんね。
はんこ森の電子印鑑が気になる方は、下記画像から確認してみてくださいね。
画像形式でもPDFの帳票へ押印できる
先ほどはPDF電子印鑑の作り方をお伝えしましたが、こちらの項目ではPDF帳票へ画像形式の判子を挿入することについて解説します。
お使いのPDF編集ツールによっても異なりますが、モノによっては画像形式の判子を挿入することもできます。 また、ExcelやWordへ挿入したい場合でも画像形式の判子を使用することができます。
画像形式の電子印鑑を作るには
画像形式の電子印鑑の作り方としては、様々な選択肢があります。 例えば先ほど取り上げたWeb認印では、PDF形式に加えて画像形式の判子も作れます。
そのほかにも、様々な無料ツールを使って作ることができます。 また、現実世界で使っている印鑑の印面を電子印鑑にすることも可能です。 当サイトには電子印鑑の作り方を説明している記事もありますので、そちらも合わせてご覧ください。
以下の記事では、電子印鑑の無料の作成方法11選や、有料の作成方法など幅広く紹介しています!
» 電子印鑑の作成方法11選はこちら
Adobe Acrobat Readerでの挿入手順
次に、代表的なPDF編集ツールである「Adobe Acrobat Reader」で判子を挿入する手順を説明します。 PDFを閲覧する、編集する際に便利なAdobe Acrobat Readerですが、実はこちらへ挿入するのはそれほど難易度は高くないです。
まずはPDF形式の電子印鑑を作り、その後Adobe Acrobat Readerの「ツール」タブ⇒「スタンプ」をクリックします。
その後、表示された「カスタムスタンプ」をクリックし、作ったPDF電子印鑑を読み込めば準備完了です。
「いざPDF帳票へ電子印鑑を押そう」という時には、「スタンプパレット」を押し、挿入したい電子印鑑を選択すればOK。 その際、企業名などのユーザー情報を入力することが可能です。
電子印鑑にはどの程度の効力があるの?
コンピュータでスピーディーに挿入できる電子印鑑ですが、実際のところ効力や信頼性はどうなのでしょうか。 結論を申し上げると、現在のところPDF帳票へ挿入した電子印鑑にはそれほど効力・信頼性はありません。
というのも、冒頭で説明した無料ネットツールなどで作った判子には、セキュリティ対策が行われていないからです。
例えばPDF帳票へ挿入しても、タイムスタンプや電子署名などの機能が備わっていなければ「本当に本人が押したのか」を証明することは困難です。 こういった事項がより徹底されてこないと、PDF帳票へ挿入した電子印鑑の信頼性は上がらないでしょう。
セキュリティ対策の行われた電子印鑑としては、シャチハタ株式会社(「シャチハタ」というのは企業名です)が提供する「パソコン決裁」というサービスがあります。
このサービスで作った電子印鑑は個人の証明ができるので、PDF帳票へ押しても誰の印鑑かをすぐに鑑別できます。
ただしこちらは有料であるため、企業単位で導入していかなければなかなか普及しにくいです。 PDF帳票などへ挿入した電子印鑑の効力が強まってくるのは、まだ先のようですね。
パソコン決裁のPDF印鑑をAdobe AcrobatReaderで使う
パソコン決裁を導入した場合、ExcelやWordへ電子印鑑を押すのは簡単です。 しかし、先ほどお伝えしたPDF編集ツールAdobe Acrobat Readerへの挿入はちょっと手間がかかります。
PDF編集ツールAdobe Acrobat Readerでの電子印鑑の使い方については、パソコン決裁の公式サイトに記載があるのでそちらを確認しましょう。 サイト内では、手順を画像付きでわかりやすく説明しているPDFファイルもダウンロードすることが可能です。
パソコン決裁はこちらまとめ
PDF電子印鑑の作り方や、使い方を説明しました。 電子印鑑には画像形式だけではなくPDF形式のものもあり、代表的なPDF編集ツールAdobe Acrobat Readerなどで活躍します。 導入法は非常に簡単なので、このツールをお使いの方はぜひ検討してみてくださいね。
現状、PDF帳票に挿入した電子印鑑には「本当に本人が押したのかどうか証明できない」という問題点があり、それほど効力は強くありません。 しかし、個人の証明ができる電子印鑑が主流になってくれば、より効力は強まってくることでしょう。
昨今のテレワークや在宅勤務が推進されている動きを受けて、電子印鑑へと移行を考えている企業の担当者の方も多いでしょう。書面はPDF化されていることが多いため、PDFに追加しやすい状態で電子印鑑を用意しておくのが便利です。
本記事では、PDFに電子印鑑を追加する際に便利なソフトや、電子印鑑を作成する流れ、電子印鑑をPDFに押印する方法などについて説明します。
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目次
- 1. 電子印鑑とは?
- 2. PDFに追加する電子印鑑の作成ソフト4選
- 3. 電子印鑑をPDF上で作成・編集する流れ
- 4. 電子印鑑はWordやExcelでも作成できる
- 5. PDFの契約書に押印する方法
- 6. 自社に適した方法で電子印鑑を利用しよう
1. 電子印鑑とは?
そもそも電子印鑑とは、電子ファイルに押印できるデータ化された印鑑のことです。
従来の印鑑とは違って、電子上で捺印作業を完了させることができるため、リモートワークが普及している昨今、導入する企業が増えてきています。
また、契約書をデータ化することによって、捺印作業だけでなく郵送作業などにかかる時間まで削減することができるため、業務効率化を推進するうえで必要不可欠なツールともいえるでしょう。
ただし、1点気をつけなければならないのは、単にデータ化した電子印鑑では、従来の印鑑と同じ法的効力を担保することはできないということです。
外部との契約対応などで電子印鑑を使用する場合には、認証機能が備えられている電子印鑑を使用して、本人性の担保や改ざん防止に努めましょう。
関連記事:電子印鑑とは?法的効力や導入時のメリット・デメリット、作成方法を解説!
2. PDFに追加する電子印鑑の作成ソフト4選
PDFで電子印鑑を作成するために必要なソフトには、主に以下のようなものがあります。
・PDFelement
・クリップスタンプ
・電子印影
・パパッと電子印鑑3 PRO
ここでは、それぞれのソフトの特徴などを紹介します。
2-1. PDFelement
PDFelementは、PDF文書に直接押印できるオールインワンPDF編集ソフトです。
「注釈」→「スタンプ」の順にクリックするだけで、簡単に電子印鑑を作成することができます。
電子印鑑の種類が豊富なのも大きな特徴で、承認済み、公開許可、極秘、修正済みといった使い分けもできますし、会社印や落款印といったように印鑑の種類を作り分けることも可能です。
本ソフト1つで、さまざまなシーンに対応できる電子印鑑を作成することができます。
2-2. クリップスタンプ
クリップスタンプは、カスタマイズ性の高さが特徴の電子印鑑作成ソフトです。
印鑑の形を日付印・代理印・三文判・丸印・角印・二分割印から選ぶことができるので、幅広いシチュエーションに対応することができます。
印鑑には部署名も記載できるため、社内捺印用の電子印鑑を作成する際に特に重宝するでしょう。
日付もパソコンの時計から自動取得して記載できるため、簡単に電子印鑑を作成することが可能です。
2-3. 電子印影
電子印影は、簡単な手続きで電子印鑑を作成することが可能なソフトです。
「個人認印」および「法人角印」のどちらを作成するかおよびそのサイズを選び、フォントを4種類から選び、印鑑の文字を入力してダウンロードするだけで、電子印鑑が作成できます。
利用に際して登録なども必要ないので、「電子印鑑を作ろう」と思ってからものの1分程度で電子印鑑が作成できてしまうのは、非常に大きな魅力と言えるでしょう。
2-4. パパッと電子印鑑3 PRO
パパッと電子印鑑3 PROは、非常に細かい調整が可能な電子印鑑作成ソフトです。
認印・三文判、データネーム印、ビジネス印、ユーザー印、住所印、会社印が作成可能で、印鑑の種類は日付印・代理印・三文判・丸印・角印・二分割印から、印章用フォントも10書体から選ぶことができます。
太字、文字方向、枠の形、文字の大きさ、色、かすれなど、細部にわたる調整にも対応しているので、自分好みの印鑑を作成できるでしょう。
ただし、上で紹介した3つのソフトはいずれもフリーソフトですが、本ソフトは有料のソフトである点には注意が必要です。
3. 電子印鑑をPDF上で作成・編集する流れ
ここからは、PDF閲覧用アプリである『Adobe Acrobat Reader』を用いた電子印鑑を作成する流れについて、詳しく解説していきます。
3-1. 「ツール」から「スタンプ」を追加
電子印鑑を初めて使用する場合は、まずスタンプ機能を追加します。
元々、本ツールで電子印鑑を作成・使用していたことがある場合は、この手順は必要ありません。
3-2. ドキュメントを開いて「スタンプ」から電子印鑑を選択
ドキュメントを開いて「スタンプ」を選択し、数種類の印影の中から好きな形状を選択します。
3-3. 円の中にテキストを入力
円の中にテキストとして名字を入力しますが、デフォルトの設定では白い横書き文字になっています。
そのため、印鑑のデザインにあわせて、文字色を赤、文字の向きを縦書きに変更しましょう。
3-4. 部署名などの必要情報を入力
社内手続き用の電子印鑑を作成する場合、氏名のほかに部署名などが必要になることがあります。
必要に応じて氏名に加えて詳細情報も入力したら、電子印鑑の作成は完了です。
所属情報などが変更になった場合でも、同じ流れで簡単に電子印鑑を作成することができます。
4. 電子印鑑はWordやExcelでも作成できる
電子印鑑は今回ここまで紹介したソフトや、『Adobe Acrobat Reader』以外にも、使い慣れている方が多い、WordやExcelでも作成することができます。
表示は若干異なるものの、WordとExcelにおける電子印鑑の作り方は同じです。下記の流れに沿っておこないます。
1.「挿入」の「図」から円形を選択して挿入
2. 設定を「塗りつぶしなし」に設定し、円の上に社名や名前をテキストで入力
3. 図とテキストを赤に設定
4.
全体のバランスを整えて図として保存
5. PDFの契約書に押印する方法
PDFに押印する場合、編集ソフトとしてPDF Readerを使うことが多いでしょう。
PDF Readerを用いて電子印鑑を押印する方法は、おおよそ以下の通りです。
1. 電子印鑑を押したい書類をPDF Readerで開く
2.「注釈」をクリックし、「電子サイン」のアイコンをクリック
3.「署名を追加」をクリックし、「画像」をクリック
4. 作成した電子印鑑の画像をドラッグ&ドロップまたは選択し、「保存&適用」をクリック
5. 文書に追加された印鑑の位置や不透明度、向きなどを調整
6. 調整完了後に保存することで、電子印鑑付きでファイルが保存される
一度保存した印鑑はアプリ内に保存されるので、次回以降利用したい場合は、電子印鑑を選択するだけですぐにファイルに押印することが可能です。
捺印する書類が多い場合でも、簡単に押印ができるので非常に便利です。
6. 自社に適した方法で電子印鑑を利用しよう
電子印鑑は非常に便利で、専用ソフトや使い慣れたWordやExcelでも作成することができます。利用するソフトによって利用できる機能や作成できる印鑑の種類、セキュリティ対策などが異なるので、どのような電子印鑑を作成したいかによって、利用するソフトを決めるとよいでしょう。
ただし、認証が施されていない電子印鑑の場合には、法的効力を持ちません。その点を踏まえて、電子印鑑を使い分けることで、適切な運用を心がけましょう。
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HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)